禁断の科学裁判
−−−ナウシカの腐海の森は防げるだろうか−−−
裁判の原告になった理由(仮題)
中島貴子(リスク評価専攻の研究者)
12.14.2005
直感的に「大事な、歴史的な、意味のある」裁判だ、と思ったからです。
動機はこれに尽きるのですが、なぜ、そう思ったかといえば、日ごろから以下のような考えをもっているからです。
1)科学は「危険の証明」には優れたツールだが、「安全の証明」には不向きである。そして、100%の安全は存在しないと思っている。だから科学者が「GMイネは科学的に安全」と発言しても、そのまま鵜呑みにする気になれない。
2)仮にGMイネの安全性に(実質的)問題がないとしても(そうは思っていませんが)、新技術を社会に導入するにあたって、GM推進派は十分な社会的コンセンサスを得る責務があると考える。ところが、この例では、その基本が踏みにじられている。特に、イネは日本の主食なのだから、慎重の上にも慎重に進めるべきだ。