平成21年(ネ)第5763号 遺伝子組換え稲の作付け禁止等請求控訴事件
控 訴 人 山 田 稔 ほか12名
被控訴人 (独) 農業・食品産業技術総合研究機構
証 拠 説 明 書 (16)
2009年12月28日
東京高等裁判所第20民事部 御中
控訴人ら訴訟代理人弁護士 柳 原 敏 夫
書証(甲107〜139)
号証 |
標 目 (原本・写しの別) |
作 成 年月日 |
作成者 |
立 証 趣 旨 |
備考 |
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107 |
原 |
2009.12. 1 |
順天堂大学教授 平松啓一 |
耐性菌研究の世界的な権威である平松啓一教授による、本件野外実験により耐性菌が出現した可能性が高く、ディフェンシン耐性菌の脅威について非常に憂慮する旨の意見書。 |
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108 |
陳述書・別紙1図・同2(論文「ディフェンシン産生の遺伝子組換えイネが高感染性のヒト病原菌を生み出す」) |
原 |
2009.12. 13 |
京都学園大学バイオ環境学部 教授 金川貴博 |
一審判決に対する感想。 具体的には、 3、原被告間で見解が異なる「ディフェンシン耐性菌出現の頻度」についての最新の知見。 4、出現する可能性のある耐性菌の種類・タイプについて 5、耐性菌による被害の程度について |
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109 |
原 |
2009.12.13 |
東京大学海洋研究所 教授 木暮一啓 |
一審判決に対する感想。 具体的には、
2、判決の重要な見落としと被告の認識について 3、ディフェンシン耐性菌出現の現実的可能性について |
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110 |
陳述書・別紙1(論文「植物育種における受粉生物学の体系化」)・同2 |
原 |
2009.12.6 |
筑波大学農林学系 元教授 生井兵治 |
一審判決に対する感想。 具体的には、
から見ることについて 2、ディフェンシン耐性菌が選択的に増殖する可能性について 3、「カルタヘナ議定書」に依拠すれば予防原則が基本であること。 4、自然交雑の可能性と非科学的な隔離距離基準等について 5、非GMイネ集団との自然交雑に関するモニタリング方法の問題点について 6、遺伝の原理や生態系のシステムはいまだに多くが未解明であること。 7、「佐藤教授鑑定」の実験結果と結論に対する判決の問題点 |
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111 |
写 |
2001.10.3 |
被控訴人 |
被控訴人が、いもち病と白葉枯病に強い、組換えイネの開発に成功!と記者発表した事実。 |
仮処分疎甲20と同じ |
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112 |
新聞記事(新潟日報・朝刊) |
写 |
2005.6.1 |
新潟日報 |
被控訴人が地元住民に対し、第1回GMイネの田植え(5月31日)の時、「今後、公開すべきデータはきちんと公開していく」と情報公開を約束した事実 |
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113の1〜 11 |
新聞記事・新潟県の市長会・市町議会の被控訴人の実験中止を求める決議等を採択。 |
写 |
05.5〜9 |
新潟日報 朝日新聞 新潟県の市長会 新潟市議会 津南町議会 五泉市議会 巻町議会 佐渡市議会 三条市議会
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・地元住民のみならず新潟県知事・上越市長・新潟県市長会などが、被控訴人のGMイネ野外実験に対し被控訴人は説明責任(事案解明義務)を果していないとくり返し指摘した事実。 ・新潟県の市長会や新潟市議会等の地元自治体が被控訴人は説明責任を果していないことを指摘し、被控訴人の実験中止を求める決議等を採択した事実。 |
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114 |
新聞記事(朝日新聞・朝刊) |
写 |
2005.10.2 |
朝日新聞 |
耐性菌問題を未解明のまま原告の請求を棄却した一審判決に対し、原告に立証責任を課すだけでは真相解明は難しく、被告に農家・消費者の不安解消に努める説明責任があると論評。 |
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115 の1〜2 |
教科書 「標準微生物学」(第10版) (医学書院発行) 第V章 細菌学総論−6.細菌の化学療法 d薬剤耐性(159〜167頁) |
原 |
2009.4.1第1刷 |
平松啓一・中込 治 編 |
甲117平松意見書で引用された参考文献1。 薬剤耐性獲得のメカニズムとして、
の2つがあることが述べられる |
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116 の1〜2 |
「新・微生物学と抗生物質の基礎知識」 (薬業時報社発行)第3章 化学療法と抗生物質 3薬剤耐性(74 〜76頁) |
原 |
1999.6. 10 |
横田 健・平松啓一ほか |
甲117平松意見書で引用された参考文献2。 薬剤耐性獲得のメカニズムとして、
の2つがあることが述べられる |
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117 |
REVIEW: Arming the enemy the evolution of resistance to self-proteins |
写 |
2003. |
Graham Bell Pierre Henri Gouyon |
甲117平松意見書で引用された参考文献3。 抗菌タンパク質では耐性菌が出現しないという説が、理論的も実験的にも疑わしいことを指摘 |
訳文添付 (抄訳) |
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118 の1〜2 |
フランスの判決(2件) |
写 |
2008.9. 18
2009.2.4 |
フランス・ナンテール大審裁判所(地方裁判所) 同・ベルサイユ高等裁判所 |
フランスで予防原則の適用を認めた2つの判決(同一事件の一審と二審判決) |
訳文添付 |
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119 |
写 |
2009.12.27 |
控訴人代理人 中村多美子 |
甲118の判決について、事案の概要と判決内容の紹介。 |
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120 |
講演『「あご・ほっぺ理論」にもとづく有機農業のための採種と育種』 |
写 |
2007.6 |
筑波大学農林学系 元教授 生井兵治 |
生命現象の本質を捉える基本理論である「あご・ほっぺ理論」について解説したもの。 |
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121 の1〜3 |
書籍 「自然の権利」(抜粋) |
写 |
1996.6.20初版 |
山村恒年ら編 |
自然保護の原則が「疑わしきは保護せよ」であること。 |
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122 の1〜5 |
書籍「ミイラになったブタ」 (抜粋) |
写 |
1998.4 第一刷 |
スーザン・E・クインラン |
自然をバラバラの部品と捉えず、自然界の生きたつながりを研究する生態学によって明らかにされた自然の謎の物語。 |
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123 |
岩波ブックレット「生命と食」 |
原 |
2008.8.6 |
分子生物学者 福岡伸一 |
動的平衡論を狂牛病、遺伝子組換え作物などにスポットを当てて解説したもの。 |
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124 |
対談「ミツバチの大量死は驕る人間が受けた自然からの報復か」 (中央公論2009年9月号) |
写 |
2009.8 |
分子生物学者福岡伸一と作家R・ジェイコブセン |
動的平衡論をミツバチの大量死例に解説したもの。 |
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125 |
写 |
2009.5. 19 |
米国環境医学会 |
アメリカ環境医学会が、遺伝子組み換えされた食品は健康に悪影響を及ぼすので、即座に出荷を停止することを求めるポジション・ペーパーを発表した |
訳文添付 |
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126 |
遺伝子組換え作物の栽培に関する米国の裁判のニュース記事(「食品安全センター」の HP掲載) |
写 |
2009.9. 22 |
Heather |
米国カリフォルニア北地区連邦地方裁判所が、米モンサント社の除草剤耐性GMサトウダイコンのUSDA(米国農務省)商業栽培承認は違法との裁定を下した。 |
訳文添付 |
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127 |
時評「夢の遺伝子組換え技術にひそむ罠」(中央公論2009年10月号) |
写 |
2009.9 |
分子生物学者 福岡伸一 |
遺伝子組換え技術と品種改良技術を対比した時評。 |
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128 の1〜2 |
ドキュメンタリー映画「食の未来」とその解説 |
写 |
2006.9 |
監督デボラ・ガルシア |
かつてない変化に曝されている食料システムを遺伝子組換え食品にスポットを当て解明した米国のドキュメンタリー。 |
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129 の1〜 5 |
書籍「それでも遺伝子組換え食品を食べますか」(抜粋) |
写 |
2009.9.25 |
アンドリュー・キンブレル |
10年以上にわたるアメリカでの商業栽培の歴史の中で明らかになった遺伝子組み換え食品をめぐるさまざまな問題の全容を、一般読者むけに平易に解説 |
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130 |
新書「細菌の逆襲が始まった」 |
原 |
2000.9.1 |
NHKスペシャル「世紀を越えて 」宮本英樹 |
感染症の恐怖から人類を救った抗生物質=魔法の薬が我々を脅かす耐性菌を生みだした。細菌の逆襲に人類はどう立ち向かっていくべきかにつき、細菌との闘いの最前線をリポート。 |
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131 |
日本育種学会編『植物育種学辞典』(2005年・培風館発行)からの引用 |
写 |
2009.12.3 |
但し、用語の選択は筑波大学農林学系元教授生井兵治氏による。 |
耐性に対する基礎知識の解説。 |
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132
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日本生態学会編『生態学事典』(2003年・共立出版発行)からの引用 |
写 |
同上 |
同上 |
同上 |
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133 |
原 |
2009.12.1 |
控訴人 山田 稔 |
一審判決を読み考えたこと、そして二審裁判所に是非伝えたいと思ったことを陳述。 |
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134 |
原 |
2009.12.1 |
同 青木 博 |
同上 |
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135 |
原 |
2009.12.1 |
同 佐藤 ふじ枝 |
同上 |
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136 |
原 |
2009.12.14 |
同 天明 伸浩 |
同上 |
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137 |
原 |
2009.12.22 |
同 ちば てつや |
同上 |
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138 |
原 |
2009.12.10 |
同 加藤登紀子 こと藤本登紀子 |
同上 |
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139 |
原 |
2009.12.22 |
同 中島 貴子 |
同上 |
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140 |
意見書 | 原 | 2010.1. 13 |
新潟県の米と自然を守る連絡会・新潟県有機農業研究会 代表 鶴巻義夫 |
一審判決に対する感想。具体的には、かつて近代化農業技術として推奨された農薬や化学肥料の大量使用により深刻な健康被害、環境破壊をもたらした経験をしてきた農業者として、今回の遺伝子組換えイネの野外実験がまた同様の過ちをくり返すのではないかということに大変な危惧を抱いていること。 |
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141 |
原 |
2010.1.13 |
同上 | 耐性菌研究の世界的権威である平松啓一教授が、被告の本GMイネ野外実験によるディフェンシン耐性菌問題を憂慮する意見書を発表したことを地元新潟県で重く受け止め、地元市民団体が9月14日に、新潟県に対し耐性菌の調査と対策を求める申入れをし、地元の新聞に取り上げられた事実。 | ||||||
142 の1〜 5 |
書籍「 Living with the Fluid Genome」 (流動ゲノムと生きる)(奥付と本文抜粋) |
写 |
2003 |
英国の女性生物物理学者Mae‐Wan Ho(メイワン・ホー) | 生命現象の本質について伝統的なドグマである遺伝子決定論(1つのタンパク質を決定するのは1つの遺伝子である)が誤りであり、タンパク質を決定するのは様々な要因との相互作用によるものであることを明らかにしたもの。 |
以 上
参考:上記書証のURL
号証 | URL |
111 | http://www.naro.affrc.go.jp/top/press/1003.html(但し、現在は閉鎖) |
117 | http://mic.sgmjournals.org/cgi/content/abstract/149/6/1367?ck=nck |
118の2 |
http://www.next-up.org/pdf/Cour_Appel_Versailles_Jugement_Riverains_Antennes_Relais_Contre_Bouygues_Telecom_04_02_2009.pdf |
125 | http://www.aaemonline.org/gmopressrelease.html |
126 | http://truefoodnow.org/2009/09/22/victory-court-finds-usda-violated-federal-law-by-allowing-genetically-engineered-sugar-beets-on-the-market/ |
142 |
著者Mae‐Wan Ho(メイワン・ホー)についての解説(ウィキペディア)http://en.wikipedia.org/wiki/Mae-Wan_Ho |
以 上